2009/08/29
草履袋のこと
「草履袋」って言葉がなつかしいでしょ。子供の頃「上履き入れ」のことをそう呼びませんでしたか? でも、これはほんとうに「草履袋」なんです。旅先できものを着る時やお出掛け先できものに着替えるときなど草履をバッグに詰めますが、箱に入れるとかさばるし花緒がつぶれるのもいやだし。仕方なくお洒落な靴袋を使う方が多いでしょうか。「素敵な草履袋があったらいいなぁ!」と言って下さる方があり、「うん、うん。いいねぇ!」と考えました。どうやら巾着形のは少しあるようですがなんだか納まりが良くないしデザインもこだわれない。で、いろいろアイデアを絞り出来ました。全体の素材は用途を考えてナイロン素材。ただそれだけでは味気ないのでちゃんと紬裂地や紐をアクセントに。お揃いの枕を花緒に挟めば型くずれしません。男性用も入りますし、もちろん靴を入れて使っても大丈夫です。一つ一つ違うのが9点できました。なんだか無理やり旅行に行きたくなりますね。
帯揚げのこと
8月も終わりになってきました。
伊と忠GINZAでの展覧会もいよいよです。最後の機織りも終え、作品や小物たちの仕上げ作業に追われています。会場でご覧いただけない方のためにも少しずつ紹介していこうと思います。
たかが帯揚げ、されど帯揚げ。シックな紬ばかりを着る私がコーディネートの要にするのは帯揚げかもしれません。同じきものや帯でも帯揚げと帯締めで季節を感じさせたり、雰囲気を変えたりできるのです。ところが市販のものはどうしても色がはっきりし過ぎていて草木染めの中に入ると馴染みません。私はよく糸染めのついでに草木で染めて使っているのですが、今回思い切ってたくさん染めてみました。派手色や濃色は省きグレーからベージュの間の微差のバリエーションです。淡く曖昧な色ほど、どんな色系統でも上品に引き立ててくれます。厚めのちりめんと薄めのちりめん、そして夏用に絽ちりめんの三種類の生地です。どれも一色一枚ずつしかありません。猛暑のなか染め作業は大変でしたが全部を桐箱に並べてみたら、あまりに綺麗でうっとりしてしまいました。
2009/08/26
2009/08/18
2009/08/13
ブランドマーク/房のこと
ブランドマークなんておこがましいのですが、私が作る小物たちに何か印象に残るしるしをつけをたいとおもっていましたが適当なものが思いつかないまま過ぎていました。でもありがたいことにやっと巡り会えました。小物類の縫製を担当してくれている友人が、ほんとうに使い道のない短い糸の束を持ち帰って手間をかけて可愛くて綺麗な房をいっぱい作ってくれました。またもや胸キューンです。さすが絹糸、つやつやさらさらです。きものや帯にはつけませんが紬を使った様々の小物たちにつけると、なぜか魅力的に見えるんです。一つ一つつけるとなると相当な数が必要です。だからまた私の手間仕事が増えそうですがなぜか、こう、好きなんです、こういうの。もちろんお使いになる方が不要と感じたり、邪魔になると思われたら取り除いていただいてもいいです。風呂敷、名刺入れ、古帛紗、小さな針山等々。以前お求めいただいた方々も、もし会場に来て下さる時にご持参下さったら付けて差し上げられるように準備して行きますのでご遠慮なくお申し出くださいね!
最後の制作のこと
いよいよ8月も半ばになり、個展までひと月をきりました。この半年それほど綿密でない計画に沿って染めて、織って。染めて、織って。織って。途切れなく制作を続けてきました。正直言ってこんなに楽しく作り続けられるとは思っていませんでした。これだけたくさんの作品を集めることは初めてですし、苦痛なく集中できた気力体力にびっくりしているくらいです。もちろん家のことやのんびり遊びにでかけたりはできませんでしたが次々作りたいものが湧いてくるのです。けれど、そろそろゴールを決めないと創り手の満足感だけではね。やはり来て下さる方に楽しんでご覧いただけるように全体をまとめないと。なのでこの帯を織って制作は終わりにすることにしました(この個展にむけての)。制作途中の写真を撮る余裕がなかったのですが、最後の整経(せいけい。縦糸を準備すること)です。まだこれから機に掛けて織るのですが、一区切り。
2009/08/05
茶入れと仕覆のこと
のんびりとですがずっと茶道を習っています。何年か前には和室を作ってもらい、炉をきり茶室としても使っています。でもなかなか道具が集まりません。欲しいなぁ、と思うものと買える力に開きがありすぎるのです。それでも好きで焼物の展覧会をのぞいていると、フィットするものに会えるときもあり、少しずつ集めています。これは織部釉が美しい現代の作家の茶入れです。濃茶の手点をするのに茶入れには仕覆がいります。名物裂の写しなどが多いのですが、自作の紬で仕覆を作るのがずっと夢でした。お茶の袋物を作るのも習いたいと思っていながらなかなか叶いません。ところがなんと、友人で有名な手芸家の方が習っておられて「お稽古に。」と言って作って下さいました。これはお茶でつかうものですが もう一つお気に入りの錫のぐいのみの仕覆も制作中です。みなさんも大切なお気に入りの器に仕覆をつくってみたくないですか。今度の個展では参考作品として展示しようと思っています。
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