2009/09/08

きもののこと

伊と忠GINZAの個展がいよいよ始まります。出品作の紹介も終わりになりました。
これまで私を応援して下さった方々にも喜んでいただけるように、また初めてご覧になる方々にも楽しんでいただけるように。たくさんの方がご来場下さることを祈っています。
『きれいさび』がテーマです。私がきものを作り続けたきたなかで『シック』とういうことは大切なことでした。偶然なのか必然なのか、いくつもの曲がり角をすごしてきていま、大人だけれど「綺麗」で「可愛い」ということもとても気になっています。ただし『引き算』が大切です。糸の味わいや自然の植物で染めた色の美しさを活かしながら、お洒落に長く付き合える着物をつくりたいと願っています。

帯のこと

八寸の袋名古屋帯です。ややざっくりとした織り目があるため締めるときもお召しになっている間も馴染みやすくすべりません。軽くて、からだをしぜんに包むのでとても心地良いのです。前にコーディネートの時にお話ししましたように、私は「織りのきもの」に「織りの帯」派なのでなるべくシンプルな印象の縞や格子の色柄で、しっかりとした質感のある帯を作りたいと思っています。とくに単衣の季節にはきちんとした素材の織り帯がすっきりとしています。私の作る夏帯はたて糸に絹、よこ糸に手積みの麻を織り込んでいます。適度な張りと透け感があります。お召しになっていただいたらよくわかっていただけると思います。今回の出品作だけでなく、お着物に会わせてお誂えのご相談も承りたいと思っています。どうぞお気に入りのおきもののお話をお聞かせ下さい。

もうひとつの仕覆のこと

茶入につづきカジュアルでお洒落な仕覆ができました。私の大切な、想い出深い「錫のぐいのみ」のダンディーで素敵な『きもの』です。これを懐に入れて夕暮れの街に出掛ける。。。なんて粋すぎるでしょうか。

2009/09/07

古帛紗のこと

いっぱい写真をならべてしまいました。これらも大好きで作ってしまったものです。茶道で使う古帛紗ですがそれだけでなく、大事なものを飾っておくときの飾り帛紗として。また欲張っていえば裂地そのものを楽しんでいただきたい。と、思っています。僅か四寸角の平面ですが窓辺の文机に置くだけで、なんだか特別な場所になるから不思議です。そして、今回作った箱にご注目を!京都生まれ育ちの私ですが、またもや「京都って凄い!」と感動しました。中京にある古い紙箱屋さん。もの凄く丁寧に打ち合わせの上、千家十職の袋物師の使っておられるのと同じ様式のを私にも作って下さいました。箱に貼る和紙も色も、中の包み紙も裂地がいきるように選ばせてもらえました。

風呂敷のこと

五年ほど前、雑誌の取材に来られた素敵な編集者の方が手みやげを風呂敷につつんで胸元に持っておられました。そして挨拶の時さっとその風呂敷を外して包みを手渡して下さいました。「何と素敵な所作なんでしょう!」と心の中で感心していました。そして取材の後ぽつんと「かすみさんの紬のきものとっても素敵だけれど、都会で働く女性には着る機会がなかなかありません。だけどこんな紬の風呂敷があれば使ってみたいなぁ。。。」とおっしゃいました。瞬時に「私も欲しい!」と思いました。それからいろいろ工夫を重ねて作りました。かなり『よそいき』の風呂敷ですが、いろんなふうに使っていただけたら嬉しいです。40,60,90センチ角のサイズがあります。桐箱に入っています。そして今回から房がつきました。

ストール マフラーのこと

まだまだ残暑が厳しいのですが、ふっくらとした太い紬糸のマフラーは秋冬には欲しいものです。また絹糸の光沢の美しい繊細なストールはシンプルな服を華やかにしてくれる魔法のスパイスです。どれも草木染めの糸でゆったりと織ったものなのでそっと襟元をつつんでくれます。気分がうんと明るくなると思います。

小物のこと 2

小さな裂地を使って作っている小物です。名刺入れはいろいろたくさん。それから桐箱に裂地を貼ったミニミニ針箱にはちいさな針山、鋏袋に入ったよく切れる握り鋏が入っています。細長いのは眼鏡(ほとんどシニアグラス)を入れる袋。実はこれ凝っています。裏に手作りキルティングを使っています。二枚の絹布の縫い目の間に糸をとおしてふっくらとさせてあります。すぐに出せて、すぐしまえる掌に優しい眼鏡袋です。ただこれらは少ししか作れませんでした。