2014/09/23

お詫び



今春から夏にかけて 事情により制作を休んでいました。
そのため更新ができずにおりました。覗いてみてくださった方々、申し訳ありませんでした。

またこの秋から再開いたしますので、順次新しい作品をごらんいただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

                小枝 かすみ


2014/06/28

夏物のこと





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梅雨まっただ中です。
京都では長雨にならず、今のところから梅雨ぎみですが、皆さんのところはどうでしょうか。

もうすぐ7月ですから、いよいよ薄いきもののシーズンです。
やはり暑い季節にはクールな色味、シンプルな縞柄が好きです。

今年は、ほんの少ししか精錬していない細い生糸と練り糸を組み合わせた経糸に、同じく細い生糸だけを緯糸にして、シャキッとしたきものを織りました。

帯も生糸、枠ははずし糸と言う生糸を座繰りで引いたときの自然な揺らぎが残った糸に少しだけ銀糸を足した経糸に、緯糸には生の節糸だけでなくオフホワイトの太めの練り糸をさまざまな横段柄に織り込みました。
とても軽く張りのある八寸帯です。

見て触っているだけで、「ああ〜涼しそう〜」

2014/04/10

春色きもののこと







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寒の戻り、花冷え、三寒四温、などと言いながら春がやってきました。
京都市内よりも少し春がおそい我が家の庭はいま桜が満開。
椿や辛夷、水仙やいかり草などの草花も一気に咲き誇っています。

そんな卯月の空のような色のきものが出来ました。
「臭木 くさぎ」という、秋に瑠璃色に色づく木の実で染める青磁色です。
白と合わせてすっきりとした経て縞にしているので、全体は白青磁色でしょうか。

日射しの強い日中などは暑さを感じることもある季節に入りますから、このような涼味を感じる色は爽やかですね。
これをお召しになる方は、藍色の帯と合わせたいとお考えです。

今回は同色の帯締めもご所望でしたので、「佳編」さんにお願いしました。

2014/03/05

濃い色きもののこと




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三月に入ってもまだまだ寒い冬日が続いています。
もう少しの間、こっくりと濃い色のきものがなじみますね。

このきものは、「こんどは渋めのきものを!」と言うご希望から始まりました。
天然染料では茶系やグレー系が染まるものは多くあります。

ここ数年私の作品は、桜染めに始まり淡い色のものが多い傾向でしたが、20年くらい前は濃い色や渋い色の方が多かったように思います。
久しぶりに濃い茶色などを考えていました。
ところが。。。
これをお召しになる方が髪の色をとても明るい色に変えられました。
何となく、きものって黒髪や茶髪でイメージしていたのです。

この方が仰るには「茶系の色だと全身が同化してしまうし、グレー系も地味に沈んでしまうの」。。。
「たしかに。。。」
そこで、以前から私が着用して気に入っている、この紫紺色に行き着きました。

はっきりした紫色では飽きがくるし、コーディネートも単純になるのでグレー味を帯びながら少し色気のある濃色です。
縦縞は薄いグレーなので薄くもやがかかったような感じです。

手持ちの明るめの帯を合わせてみました。
金糸銀糸が少し入ったグレーの帯が良く合っていると思いました。

2014/02/04

男のきもののこと 2−5 勢揃い



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そんなこんなで一揃い出来上がり、年末にお納めすることが出来ました。


さっそく、大晦日に浅草詣でを楽しまれている写真が届きました。

私はおかげさまでほっとした気持ちで年を越しました。

どうか、末永くご愛用いただけるように!

心から願っています。

2014/01/27

男のきもののこと 2−4 信玄袋



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前にもお話ししましたが、まだまだ男性用の「きものまわり」の小物類は豊富にはありません。
そこで今回も、羽織地のバリエーションで織った生地で信玄袋を作りました。
側面は焦げ茶色の革です。紐は真田紐。

2014/01/18

男のきもの 2−3 羽織


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羽織は焦げ茶色のほぼ無地ですが、微かにグレーの片羽縞が縦方向に走っています。
この茶色はきものが出来上がってから糸染めをしているので、きものの色に合わせてピタッとくる色を探して何度も染め重ねました。
暗すぎないよう、赤すぎないよう、淡すぎないよう。。。
日本茶、中国茶、栗、桜、ミロバランなど。
お洒落で、着ると落ち着くジャケットのように。
もちろん羽織地は糸使いも織り方も少し柔らかく軽く。

羽裏地は大柄の額裏ではなくあえて小さな総柄にしました。
見えないお洒落と言われる羽裏地です。
ちらりと見えるのはネクタイの柄のようにシンプルなアクセントとして。
けれど、この柄はれっきとした和柄で「鱗紋(うろこもん)」と言うおめでたい柄なのです。色も羽織地と同系色で。
また、羽織紐もお気に入りの房なしの焦茶色と金茶色のリバーシブルです。

2014/01/08

男のきもののこと 2−2 帯


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次にご紹介するのは角帯です。
昨年始めたヘリンボーンの帯です。幅が狭いので杉綾織りの山が小刻みです。
これも桜の濃グレーと淡グレーです。
紬糸を使っているので、ツィードみたいなテイストでしょうか。

男のきもののこと 2−1 きもの

新年あけましておめでとうございます
ことしもどうぞよろしくお願いします。






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このお正月に向けて昨年の後半に制作していた男のかたのきものです。

数年前、ご注文いただいたとき大変驚きました。
まだ三十歳になるかならないかとお若く、とくべつ『和』のことに関わっておられるわけではないので。
でも正直、とても嬉しかったです。
私のいろいろな作品をごらんなって、「自分も欲しい」と思っていただけたのだから。

その後かなり待っていただき、きもの 帯 羽織 信玄袋 マフラーを制作して、そして長襦袢や小物まで揃えさせてもらいました。


今回はきもの。
以前にも織ったことのある『絲遊』と名付けている小障子格子です。
桜のグレーを地色に桃の金茶色と栗の濃グレーです。

小粋な感じを狙って格子柄にしました。
男性は羽織と合わせるので見える分量はあまり多くありません。
そして、すらりと長身なので洋服感覚も入れたくて。

各アイテム続いてご紹介します。