2015/04/19

単衣のこと 3









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ずっと前、洋服地の商品企画をしていたことがありました。
アパレル向けの生地ですから 秋には春夏もの、春には秋冬ものと真逆の時期にパリコレなどを参考に色柄や素材の企画をたてていくのです。

なのに、今はどちらかと言うと それをお召しになっていただく(自分が着るつもりになって)季節に考えたい、と思うことが多いです。
多分 つよい思い入れを込めて一点一点作るからでしょうね。

単衣の時期にはとくに小刻みにそう感じます。
昨年、春と初夏の間くらいにこんな質感で着たいな、と思い作り始めた単衣着尺です。
桜で染めた生糸や駒糸に色々な色糸や白糸が経糸になっています。そのためそれほど透けないし、シャリシャリでもないのにさらっとしています。
緯糸はこれも桜染めのベージュピンクの玉糸に時々グレーの太めの糸が入ります。これは絹紅梅のように肌から生地が少し離れる効果があるように感じます。

残念ながら、昨年は企画途中で制作が進められなかったのですが、無事に織り上げることが出来ました。

単衣の季節を間近にひかえ、いい感じ!と眺めています。