2014/03/05

濃い色きもののこと




       (クリックすると拡大します)


三月に入ってもまだまだ寒い冬日が続いています。
もう少しの間、こっくりと濃い色のきものがなじみますね。

このきものは、「こんどは渋めのきものを!」と言うご希望から始まりました。
天然染料では茶系やグレー系が染まるものは多くあります。

ここ数年私の作品は、桜染めに始まり淡い色のものが多い傾向でしたが、20年くらい前は濃い色や渋い色の方が多かったように思います。
久しぶりに濃い茶色などを考えていました。
ところが。。。
これをお召しになる方が髪の色をとても明るい色に変えられました。
何となく、きものって黒髪や茶髪でイメージしていたのです。

この方が仰るには「茶系の色だと全身が同化してしまうし、グレー系も地味に沈んでしまうの」。。。
「たしかに。。。」
そこで、以前から私が着用して気に入っている、この紫紺色に行き着きました。

はっきりした紫色では飽きがくるし、コーディネートも単純になるのでグレー味を帯びながら少し色気のある濃色です。
縦縞は薄いグレーなので薄くもやがかかったような感じです。

手持ちの明るめの帯を合わせてみました。
金糸銀糸が少し入ったグレーの帯が良く合っていると思いました。