2011/12/12

グレーと茶色のこと

あまり晩秋を感じることなく十一月が過ぎ、師走に入りやっと冬らしくなりました。
この秋に向けて制作したきものと帯です。
以前、桜で染めた柔らかなピンクのきものと藤鼠色の帯を作らせていただいた方から、
「グレーのきものと茶色の帯」と言うテーマをいただいて作りました。
やはり、はじめのきものは春の雰囲気がします。そして今回のきものは秋の雰囲気がします。
グレーは「いまどきの紬のきもの」の代表格のようです。シックで都会的。
洋服の感覚でコーディネートしやすく、洋服の中でも浮かない。そしてどんな色とも合わせやすい。
グレーの無地紬からきものに入られた方も多いことかと思います。
私の作る「グレーの紬」は近づくと分かる綺麗で可愛い色もいっぱい見え隠れします。
全体には栗や藍の茎など様々な植物で染めたグレーの濃淡。
経糸には虹のように鮮やかな色がかすかに潜んでいます。
緯糸には光の筋のように明るい色が差し込んでいます。
帯は焦げ茶とベージュとグレーを使ってギンガムチェックのような小格子を織り出しました。