2009/12/16

羽織のこと

きものを着る機会は秋から冬、春が多いように思います。この寒い季節に羽織があるととても安心です。私のおすすめはやはり少し長め、膝丈くらいの紬の羽織です。ご存知のように羽織はコートのように玄関先で脱ぎ着をせず室内や食事のときも着たままで良く、暖かいばかりか塵よけにもなり帯やきものを守ります。外出時に何となく落ち着きます。羽織は肩に重みがかかるため、紬とはいえ着尺とは違った織り方で、しなやかに軽く織る工夫をしています。上質なフラノやツィードのジャケットを羽織るような感覚でコーディネートしたいので、帯や帯揚げ、帯締めはやや控えめの組み合わせが良いでしょう。羽織の衿が縦に、羽織紐が横に加わりますから。羽尺はベーシックな色の無地か無地感覚の縞ならいろんなきものに合うでしょう。そして見えない羽裏もありきたりではなく自分で縫い絞りなどして草木で染めています。羽織紐はシンプルで小ぶりな同系色が素敵だと思います。

草木染紬の名刺入のこと

前にもご覧いただいた名刺入たちです。これまで織った裂地を使っているのでシックなのから可愛いのまでいろいろあります。これらも伊と忠GINZAZのショップとオンラインショップに登場しました。小さなものながらそれぞれ皆さんこだわりのある小物です。少し気分変えたい時や、ちょっとしたプレゼントに使っていただけると嬉しいです。http://store.shopping.yahoo.co.jp/kyoto-itochu/gs0006.html

2009/11/05

再び草履袋のこと

おかげさまで草履袋は大変好評でした。そのままでは何か分からないのでつい草履を入れて、紐を結んで説明をしたくなり、なんだかTVショッピングのひとみたいで自分で笑っちゃいました。初めに作った分の後、お客様に裂地を選んでいただいて追加でもいくつかつくりました。そこでこの草履袋(花緒枕付き)を引き続き伊と忠GINZAで販売して下さることに決まりました。さっそく新作九点が店頭に登場しています。また追ってネットショップ「伊と忠ONLINE GINZAセレクト」でも取扱っていただきます。ほとんど同じものはつくれないので一点ものになり、少しずつですが。オリジナル畳紙に包むので贈り物にも素敵だと思います。
お問い合わせは伊と忠GINZA(03-6226-2286)http://itochu-ginza.jp/へ

2009/10/14

小枝かすみ展「きれいさび」のご報告 4

店内の様子をご覧下さい。
この展覧会のご報告も終わりになりました。始まるまではいろんな不安や、作りたいものに対する意欲などと向き合いながら毎日手を動かし続けました。そしてこの十日間にはたくさんの方と自分の作ったもの達を通してお話しすることができました。言葉からも言葉ではない何かからも大きな力をいただいたと思います。ほんとうにありがとうございました。ささやかですがこれからもどうぞよろしくお願いします。         

小枝かすみ展「きれいさび」のご報告 3

店内の様子をご覧下さい。

小枝かすみ展「きれいさび」のご報告 2

店内の様子をご覧ください。

2009/10/09

小枝かすみ展「きれいさび」のご報告 1

9月10日から20日に伊と忠GINZAで開催しました私の初めての個展のご報告をさせていただきます。想像していた以上に沢山の方にお越しいただけてとても嬉しい十日間でした。夏を思わせるような初秋の銀座、初めてお会いする方、以前から応援してくださっている方などみなさんがとても丁寧に作品をご覧下さることに勇気がわきました。私がこれまでこのようなかたちで発表することがなかったこともあり、できるだけ楽しんでご覧いただけるよう作った小物たちの賑やかさもあり、手に取ったり鏡の前で羽織ったりしてお店の中を何度もぐるぐると見て回って下さるのはほんとうに嬉しい光景でした。これから何回かに分けてその様子をご覧いただきます。(遅くなってすみません!)

2009/09/08

きもののこと

伊と忠GINZAの個展がいよいよ始まります。出品作の紹介も終わりになりました。
これまで私を応援して下さった方々にも喜んでいただけるように、また初めてご覧になる方々にも楽しんでいただけるように。たくさんの方がご来場下さることを祈っています。
『きれいさび』がテーマです。私がきものを作り続けたきたなかで『シック』とういうことは大切なことでした。偶然なのか必然なのか、いくつもの曲がり角をすごしてきていま、大人だけれど「綺麗」で「可愛い」ということもとても気になっています。ただし『引き算』が大切です。糸の味わいや自然の植物で染めた色の美しさを活かしながら、お洒落に長く付き合える着物をつくりたいと願っています。

帯のこと

八寸の袋名古屋帯です。ややざっくりとした織り目があるため締めるときもお召しになっている間も馴染みやすくすべりません。軽くて、からだをしぜんに包むのでとても心地良いのです。前にコーディネートの時にお話ししましたように、私は「織りのきもの」に「織りの帯」派なのでなるべくシンプルな印象の縞や格子の色柄で、しっかりとした質感のある帯を作りたいと思っています。とくに単衣の季節にはきちんとした素材の織り帯がすっきりとしています。私の作る夏帯はたて糸に絹、よこ糸に手積みの麻を織り込んでいます。適度な張りと透け感があります。お召しになっていただいたらよくわかっていただけると思います。今回の出品作だけでなく、お着物に会わせてお誂えのご相談も承りたいと思っています。どうぞお気に入りのおきもののお話をお聞かせ下さい。

もうひとつの仕覆のこと

茶入につづきカジュアルでお洒落な仕覆ができました。私の大切な、想い出深い「錫のぐいのみ」のダンディーで素敵な『きもの』です。これを懐に入れて夕暮れの街に出掛ける。。。なんて粋すぎるでしょうか。

2009/09/07

古帛紗のこと

いっぱい写真をならべてしまいました。これらも大好きで作ってしまったものです。茶道で使う古帛紗ですがそれだけでなく、大事なものを飾っておくときの飾り帛紗として。また欲張っていえば裂地そのものを楽しんでいただきたい。と、思っています。僅か四寸角の平面ですが窓辺の文机に置くだけで、なんだか特別な場所になるから不思議です。そして、今回作った箱にご注目を!京都生まれ育ちの私ですが、またもや「京都って凄い!」と感動しました。中京にある古い紙箱屋さん。もの凄く丁寧に打ち合わせの上、千家十職の袋物師の使っておられるのと同じ様式のを私にも作って下さいました。箱に貼る和紙も色も、中の包み紙も裂地がいきるように選ばせてもらえました。

風呂敷のこと

五年ほど前、雑誌の取材に来られた素敵な編集者の方が手みやげを風呂敷につつんで胸元に持っておられました。そして挨拶の時さっとその風呂敷を外して包みを手渡して下さいました。「何と素敵な所作なんでしょう!」と心の中で感心していました。そして取材の後ぽつんと「かすみさんの紬のきものとっても素敵だけれど、都会で働く女性には着る機会がなかなかありません。だけどこんな紬の風呂敷があれば使ってみたいなぁ。。。」とおっしゃいました。瞬時に「私も欲しい!」と思いました。それからいろいろ工夫を重ねて作りました。かなり『よそいき』の風呂敷ですが、いろんなふうに使っていただけたら嬉しいです。40,60,90センチ角のサイズがあります。桐箱に入っています。そして今回から房がつきました。

ストール マフラーのこと

まだまだ残暑が厳しいのですが、ふっくらとした太い紬糸のマフラーは秋冬には欲しいものです。また絹糸の光沢の美しい繊細なストールはシンプルな服を華やかにしてくれる魔法のスパイスです。どれも草木染めの糸でゆったりと織ったものなのでそっと襟元をつつんでくれます。気分がうんと明るくなると思います。

小物のこと 2

小さな裂地を使って作っている小物です。名刺入れはいろいろたくさん。それから桐箱に裂地を貼ったミニミニ針箱にはちいさな針山、鋏袋に入ったよく切れる握り鋏が入っています。細長いのは眼鏡(ほとんどシニアグラス)を入れる袋。実はこれ凝っています。裏に手作りキルティングを使っています。二枚の絹布の縫い目の間に糸をとおしてふっくらとさせてあります。すぐに出せて、すぐしまえる掌に優しい眼鏡袋です。ただこれらは少ししか作れませんでした。

2009/08/29

草履袋のこと

「草履袋」って言葉がなつかしいでしょ。子供の頃「上履き入れ」のことをそう呼びませんでしたか? でも、これはほんとうに「草履袋」なんです。旅先できものを着る時やお出掛け先できものに着替えるときなど草履をバッグに詰めますが、箱に入れるとかさばるし花緒がつぶれるのもいやだし。仕方なくお洒落な靴袋を使う方が多いでしょうか。「素敵な草履袋があったらいいなぁ!」と言って下さる方があり、「うん、うん。いいねぇ!」と考えました。どうやら巾着形のは少しあるようですがなんだか納まりが良くないしデザインもこだわれない。で、いろいろアイデアを絞り出来ました。全体の素材は用途を考えてナイロン素材。ただそれだけでは味気ないのでちゃんと紬裂地や紐をアクセントに。お揃いの枕を花緒に挟めば型くずれしません。男性用も入りますし、もちろん靴を入れて使っても大丈夫です。一つ一つ違うのが9点できました。なんだか無理やり旅行に行きたくなりますね。

数寄屋袋のこと

お茶会やお稽古の時などに袱紗や懐紙、扇子などを入れるクラッチバッグのような袋物です。普通は名物裂れ写しや友禅柄など。私は紬着尺の裂地で作っています、いろいろ。もちろん、普段にバッグインバッグとしてお使いいただくのも素敵です。これは京都の和の袋物専門のところで作ってもらっています。留め具は金属ではなく象牙色のつめ留めにしてもらっています。裏は無地の絹です。もちろんブランドマークの房も付けました。以前買って下さった方、付けてさしあげますので!

帯揚げのこと

8月も終わりになってきました。
伊と忠GINZAでの展覧会もいよいよです。最後の機織りも終え、作品や小物たちの仕上げ作業に追われています。会場でご覧いただけない方のためにも少しずつ紹介していこうと思います。
たかが帯揚げ、されど帯揚げ。シックな紬ばかりを着る私がコーディネートの要にするのは帯揚げかもしれません。同じきものや帯でも帯揚げと帯締めで季節を感じさせたり、雰囲気を変えたりできるのです。ところが市販のものはどうしても色がはっきりし過ぎていて草木染めの中に入ると馴染みません。私はよく糸染めのついでに草木で染めて使っているのですが、今回思い切ってたくさん染めてみました。派手色や濃色は省きグレーからベージュの間の微差のバリエーションです。淡く曖昧な色ほど、どんな色系統でも上品に引き立ててくれます。厚めのちりめんと薄めのちりめん、そして夏用に絽ちりめんの三種類の生地です。どれも一色一枚ずつしかありません。猛暑のなか染め作業は大変でしたが全部を桐箱に並べてみたら、あまりに綺麗でうっとりしてしまいました。

2009/08/26

個展のご案内

小枝かすみ展「きれいさび」草木染 紬織

今回は綺麗で大人らしく可愛い気分の作品を発表します。

開催期間(月曜日定休)

9月10日(木)〜20日(日)

営業時間 11時〜20時(最終日のみ18時閉場)

在店日

期間中全日(14時〜) お誂えのご相談を承ります。

伊と忠GINZA  http://itochu-ginza.jp/

104-0061 東京都中央区銀座8-12-13 豊川ビル1階

Tel & Fax 03-6226-2286 (月曜定休)

2009/08/18

バッグのこと

何となく懐かしいようなバッグが出来上がってきました。これらはざっくりとした紬帯の生地を使ったバッグです。前述の縫製担当の友人がシンプルに仕立ててくれました。そんなに和風じゃないのにレトロな感じなので普段着のきもの姿に良いかな、と思います。優しい色に竹の持ち手のはたくさん生地がいるので一つだけ、藍染めの木綿糸のしましまに真田紐の持ち手のは二つ出来ました。
(撮影の後、ざっくり房をつけました)

2009/08/13

ブランドマーク/房のこと

ブランドマークなんておこがましいのですが、私が作る小物たちに何か印象に残るしるしをつけをたいとおもっていましたが適当なものが思いつかないまま過ぎていました。でもありがたいことにやっと巡り会えました。小物類の縫製を担当してくれている友人が、ほんとうに使い道のない短い糸の束を持ち帰って手間をかけて可愛くて綺麗な房をいっぱい作ってくれました。またもや胸キューンです。さすが絹糸、つやつやさらさらです。きものや帯にはつけませんが紬を使った様々の小物たちにつけると、なぜか魅力的に見えるんです。一つ一つつけるとなると相当な数が必要です。だからまた私の手間仕事が増えそうですがなぜか、こう、好きなんです、こういうの。もちろんお使いになる方が不要と感じたり、邪魔になると思われたら取り除いていただいてもいいです。風呂敷、名刺入れ、古帛紗、小さな針山等々。以前お求めいただいた方々も、もし会場に来て下さる時にご持参下さったら付けて差し上げられるように準備して行きますのでご遠慮なくお申し出くださいね!

最後の制作のこと

いよいよ8月も半ばになり、個展までひと月をきりました。この半年それほど綿密でない計画に沿って染めて、織って。染めて、織って。織って。途切れなく制作を続けてきました。正直言ってこんなに楽しく作り続けられるとは思っていませんでした。これだけたくさんの作品を集めることは初めてですし、苦痛なく集中できた気力体力にびっくりしているくらいです。もちろん家のことやのんびり遊びにでかけたりはできませんでしたが次々作りたいものが湧いてくるのです。けれど、そろそろゴールを決めないと創り手の満足感だけではね。やはり来て下さる方に楽しんでご覧いただけるように全体をまとめないと。なのでこの帯を織って制作は終わりにすることにしました(この個展にむけての)。制作途中の写真を撮る余裕がなかったのですが、最後の整経(せいけい。縦糸を準備すること)です。まだこれから機に掛けて織るのですが、一区切り。

2009/08/05

茶入れと仕覆のこと

のんびりとですがずっと茶道を習っています。何年か前には和室を作ってもらい、炉をきり茶室としても使っています。でもなかなか道具が集まりません。欲しいなぁ、と思うものと買える力に開きがありすぎるのです。それでも好きで焼物の展覧会をのぞいていると、フィットするものに会えるときもあり、少しずつ集めています。これは織部釉が美しい現代の作家の茶入れです。濃茶の手点をするのに茶入れには仕覆がいります。名物裂の写しなどが多いのですが、自作の紬で仕覆を作るのがずっと夢でした。お茶の袋物を作るのも習いたいと思っていながらなかなか叶いません。ところがなんと、友人で有名な手芸家の方が習っておられて「お稽古に。」と言って作って下さいました。これはお茶でつかうものですが もう一つお気に入りの錫のぐいのみの仕覆も制作中です。みなさんも大切なお気に入りの器に仕覆をつくってみたくないですか。今度の個展では参考作品として展示しようと思っています。

2009/07/27

「一花 DUSKIN」のこと

6月に取材を受けた情報誌が7月末に発行され手元にも届きました。「ダスキンのメリーメイド」の「一花」と言って定期的にハウスクリーニングの契約をしている方向けに配布されています。毎号、暮らしを彩るための様々な分野の女性が紹介されています。嬉しいことに知り合いの方から「見ましたよ!」と連絡をいただきました。自分の写真はやっぱり照れくさいけれど、作品や制作の写真はプロのカメラマンがとって下さっているのでとてもきれい!普段なにげなく考えていることを取材を受けながら整理できたり、確認できたりとても有意義でした。丁寧に取材をして下さった関係者の方々に感謝しています。記事の内容も皆さんに見ていただきたいのですが、文字がこまかすぎて無理ですね。残念!