2018/11/03

試作してみた帯のこと


これも同じ時の木漏れ日です。
この秋に試してみた八寸袋名古屋帯。

経糸をざっくりと段染めしてから織ってみました。
緯糸は大きな段で色を変えているので、コントラストはっきり横段です。
その境目がづれたり、にじんでいるのが織物らしいというか。
お太鼓は色柄の出し方で違った感じになりそうです。

一度着用してみないと….。
でも新しいことを試してみるのはおもしろいですね!




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秋たけなわ2018


11月に入りました。このところ本当に気持ちのよい秋晴れが続いています。
我が家の庭では秋の草花や早咲きの椿「西王母」が咲いています。

久しぶりに織り上げていた作品の写真を撮るために反物を広げてみました。

そこへ、秋の澄明な日差しが木漏れ日を落としています。

あぁ….、やっぱり秋がいちばん「染織ごころ」をくすぐるなぁ…..。と感じました。



そんなわけで、春頃に機に掛けながらも「新緑の気分にそぐわなくて…」と後回しにしてしまった茶色づくしの着尺。

けっきょく、秋に入ってから織り上げました。

経糸は単純な縞で、緯糸はさまざまな茶色が入って横縞の方がつよく表れています。
小格子のようでもあり横段柄のようでもあります。
無地紬の帯が合いそうですね。




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2018/04/20

昨春のこと




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季節と色について書くうち、昨年の春から夏にかけて制作していた着尺のご紹介を忘れていることに気づきました。

多分そのときも秋になっていたので、さきに秋らしい丹波布のような着尺を織り始めて、その制作のようすをご紹介したのだと思います。

グレー地のやや薄く軽めの真綿紬の着尺です。
グレーにも見えるのですが、じつはかなり可愛いピンクやブルーやパープルが経糸に入っているんです。グレーは少し。
ところが緯糸がほとんどグレーで、そこへかなりカラフルな横縞が頻繁に入っています。

地味に見えて、けっこう可愛いきものになると思います。
クールなんだけど楽しい感じ。都会的に着回せそう。
光が当たると、薄い色に見えます。
若い方にも着てもらいたいきものです。

季節と色のこと



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前回の新緑のきもののつぎに織り始めた着尺は、何を思ってか...濃い茶色..茶色…
..いろんな茶色です。
晩秋に霜が降り始め、ぬくもりが欲しくなる頃に柔らかく身を包むきもの。経糸には玉糸が多く入っていてほこほことした表情です。
そんなきものを作るつもりで、たくさんの茶色の糸を集めました。

準備を整え、機にかけ、織り始めました。
ところがどうも、はかどりません。
窓の外はまばゆい陽光。萌え始めた庭の木々。
どことなく気分が乗りません、次に織り込む緯糸の杼を選ぶときにも。

そうなんです!
やっぱり、色は大切なんです。
色は季節で、季節は色なんです!ね。

前にもお話ししたように、それを着たい時期かもしくはそんな時期の前に制作する方が私には良いようです。

そこで、ありがたいことに、私にはもう一つの織機がとなりに控えていますので、一気に準備をしていま気分の帯を織り始めました。



まさに萌えいずる春、そして初夏。
みたいな彩りのヘリンボーンの八寸帯です。
これらの緑色は藍とエンジュで染めた緑ですが、紬糸ではなく本絹糸を撚った糸なので発色がとても鮮やかです。
ここまで彩度の強い帯ですが、少し地味目な単衣きものに合わせてみたら、新鮮かもしれません。

やはり気分もウキウキ、二本の足をリズムよくステップを踏むように踏み替えて織っています。

つくづく、色は大切!と感じ入りました。
どうしましょう…茶色の着尺。昨秋は丹波布みたいな色の着尺を織っていて楽しかったのですが、そんなに先延ばしも出来ません。
なたね梅雨で雨が降り続くようになったら、そちらの織機に座ることにしましょう。

2018/04/08

新緑のこと 2




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厳しかった冬のつぎにやって来た春は初夏のようで、人も自然も戸惑うほどでした。
あっという間に桜は散り、もはや若葉萌える季節となりました。
我が家の窓辺にも木漏れ日が溢れています。

昨年の新緑の着尺を覚えておられるでしょうか。
あの作品から展開して、もう少しシンプルな柄で白っぽくならず爽やかに、そして袷の時期に一足早く着る単衣のきもの、と言うご希望で今年制作したきものです。

カラスノエンドウで染めた糸に加え、木槿(むくげ)で染めた少し大人びた緑の糸や藍とエンジュで重ね染めたしっかりとした緑の糸、そして桜のグレーの糸を加えた細いたて縞。
緯糸には合歓の木で染めた玉糸をベースにグレーやベージュ、白や深緑などたくさんの色で横筋を織り込みました。
きものとして仕立てるとその横段が段違いに表れてとてリズミカルな表情のきものとなりました。