2017/11/30

Cluaranクルアラン<絹のマフラーとストール>12/1~ のこと

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今年も最後の月となりました。
この時期はやっぱりマフラーを織っています。

そして、今回は東京世田谷、明大前にある「Cluaranクルアラン」という英国ビンテージ雑貨のお店で12月1日からマフラーやストールをご覧いただけます。

このクルアラン(スコットランドの言葉で薊の意味)は、私の親友のお店。
1993年、オックスフォードで知り合って以来の仲良しです。

新宿や渋谷からも吉祥寺からも電車で便利。
明大前駅から歩いてすぐの住宅地の一画、お家の一部が小さな可愛いお店です。
ご自身がオックスフォード、ロンドン、エディンバラと通算三年の英国生活で集めたアンティークやビンテージの楽しい雑貨や家具、アクセサリーや小物が佇んでいます。

そこへ、「小枝かすみ」の手織りした、襟もとと心を暖める<絹のマフラーとストール>がお邪魔しています。
この絹の真綿糸やきびそで手織りした襟巻き、軽くて暖かく、そして肌に優しく、とても気持ちよいのです。

寒く暗い季節に向かいますが、うきうき気分の色を身につけていただきたいです。
また、プレゼントとしても。

お近くの方、ぜひお出かけになってみてください。
http://cluaranjp.blogspot.jp
アクセスや営業日については、お店のカレンダーでご確認ください。

少しご紹介します


ヘリンボーンに織った、カラフルで柔らかい少し薄手のマフラー


前回、網代織りの帯をご紹介しました。その織り方で幾何学模様のようなマフラー



 










 男性にもよくお似合い、しましまマフラー


     



 

                大人の無地、真っ赤と真っ黒のストール

  
 ブライトカラーのチェックのストール
       桜で染めた糸ばかりで織り上げたストール

2017/11/03

網代織りのこと





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二色の糸がざぁーっと並んで千切りに巻かれています。
チャコールグレーとミントグレーの太めの真綿糸です。

これがあぜ竹を通って綾をとると、くっきり太縞が表れました。
でも、綾竹二本の前後で色が反転しています。

これは…経糸を、
一本ずつ隣り合った違う色が交互に並び、二本同じ色が並んだあと、また違う色が交互に並ぶ。この二本並ぶときに反転します。
これを何度か繰り返します。
そして…緯糸を、
同じように、一越しずつ違う色を交互に織り込み、二越し同じ色を、また違う色を交互に。。。

すると、こんな柄が表れてきます。
平織りなのに細かな柄が織り出せるので、昔から織られてきました。
古風なんだけど、モダン。

糸が太いので、柄がどんどん出来て、織るのがとても楽しいです。
これは八寸帯です。けっこうシックな帯になりそうです。


この反転させるタイミングで柄の大小が変えられるので、次はマフラーを織ってみたいなぁ。。。と思っています。
そろそろ、暖かなマフラーが欲しくなる季節ですものね。

「アフターエイト」って、ミントクリームを挟んだ薄いビターチョコレートがありますよね。
それを連想させられます。大好物です!

2017/10/01

秋の気配のこと






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今日から十月、秋から初冬にかけては大好きな季節です。

とにかく蒸し暑い日の多かった今夏に制作していた作品を後回しにして、いま織っている着尺のお話です。

なぜだか分からないのですが、秋になると丹波の田園風景が心に浮かびます。
枯れ始めた樹々、稲刈りの終わった田んぼ、枯草を焼く煙がたなびくブルーとオレンジが混ざる夕焼け空、それを囲む低い山々の深緑。

そして心魅かれるのは暖かみを感じさせる「真綿紬」のきもの。
久しぶりに経糸も紬糸、緯糸も紬糸で織る「諸紬(もろつむぎ)」の着尺を織ってみたくなりました。
素朴で民芸っぽいきものを。

いつもの座繰り糸より少し太い紬糸にしっかり糊を付けて、荒めの筬(経糸の密度が少し低くなります)で織ります。
緯糸は変わらないのに経糸の節も表れてきます。
基本の色をずいぶん前に染めていたので、「丹波布」を思い起こす格子柄に。
ただ試し織りをするうち、同じ繰り返しの格子より気まま緯糸の方が良いような気がしてランダムな地色の格子になりました。
とっても秋の気分です。

2017/05/15

新緑のこと






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薫る風に樹々の若葉が揺れ、新緑が目を楽しませてくれる季節です。

明るい日差しがあふれて鮮やかな緑がそこここに見えながら、遠くの山の緑は春霞のせいか白く淡い萌黄色に、揺れる葉は銀色がかった裏葉色に見え陰影を醸し、えもいわれぬ緑の諧調を現します。


身近な草も明るい緑色を与えてくれます。
昨春にカラスノエンドウで生き生きとした緑色の諧調を染めました。そして、春を迎える明るい気分の紬を織りました。

そう今日は葵祭です。京都の緑が輝く日ですね。

2017/04/11

慶事のこと 2



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春らしくなってきました。我が家の桜もようやく咲き始めました

(久しぶりに私事ですが、ご勘弁ください。)

四年前に続き我が家の慶事のお話を。
この三月、次男が京都の岡崎神社で結婚式を挙げました。

かねてより次男はきものに興味を持っていて「いつか自分にも作ってほしい!」とよく私に言っていましたが、なかなか取りかかる余裕がありませんでした。

けれども昨年、本人たちが結婚式のプランをたてるときに「自分もお嫁さんも母さんの創ったきものを着たい!」と言い出しまして、いよいよ取りかかった次第です。

お嫁さんはずっと前に初めてお誂えで作らせてもらった「弥生格子の振り袖」をお借りして挙式に、お色直しには40年前に私が初めて織った「紅花の無地」を着ることに。







次男の「グレーいろいろの無地」着物と「桜の茶色」の羽織が織り上がる頃、長男夫婦も「できれば着たい!」と。
それなら「ここまできたら、家族全員着よう!」と言うことになり、私も欲が出てしまいました。


長男のお嫁さんは「桜の無地」を。そして長男にはこういうこともあろうか...と広幅で織っていた「山蕗の無地」の着物と「矢車附子の無地」の羽織でもう一揃い。
なんとか滑り込み、間に合いました。



主人の分は前回揃えていたので、これでみんなの着るものが整いました。
袴と花嫁さんの帯二点だけは自作ではありませんが、男の帯もがんばりました。



「桜の無地」と私の「蒲公英の絵羽」に合わせたのは、2013/5/5の「光る帯のこと」や「帯いろいろ」でご紹介した帯たちがけっこうフォーマル感を出してくれました。

貰った金銀糸がもったいなくて、ふと「世の中にあんまりない光る袋帯」を作ってみよう!と試してみたのですが役に立ちました。

この六人分の着物や帯などに合わせる小物などの準備もけっこう大変でした。
おんなものは私のもが使えますが、おとこものは世の中に本当に数が少なくて、とても高価か怖いくらい安物か…。普通にシンプルで素敵なものを見つけるのは至難の業です。

けれども挙式当日、みんなが着てくれた姿は…
とてもとても嬉しく、素敵でした。




きっと結婚式には異例の「紬づくし」ですが、我が家の「最高の晴れ着」となりました。


「ものを作る仕事」をして来たこと、素晴らしく幸せに思いました。

そして、家族が育ち、家族が増えていくこと、幸せに思いました。

2016/12/26

カラフルマフラーのこと









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FMラジオから流れるクリスマスソングを聴きながら、ウキウキと織ったカラフルなマフラーたち。
2015年2月にご紹介していた、頂き物の化学染料で鮮やかに染まった糸でこじんまりとしたマフラーをたくさん織りました。
幅が20センチほどなので軽くてくるりんと巻くのに最適です。

普段はほとんど平織りなのですが、試しに綾織のマフラーを作ってみたら柔らかくて厚みができてマフラーには良いなぁ...と思っていたので、杉綾織にしました。
同じ生成りの経糸ながら、鮮やかな緯糸で柄が浮かんできて織るのが楽しくて。
糸の質が良いので、本当に柔らかで優しい肌触りです。

でも、原色の段染め糸や鮮やかな色糸たち。
昭和の高度成長期にはこんな色を使った帯が多かったんですねぇ…..。

いつも自然の植物から思いの色を染めるのに夢中になっている部分が、すごく気分転換できてリフレッシュします。
組織織りもこのくらいの密度の織り方なら大変さより楽しさが味わえます。

縞マフラーのこと



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冬が来て年末になってくると、首元を温めるものが欲しくなります。
私はいつものようにその季節に欲しい気持ちで作るのが好きです。

と言うわけで、初めは男性へのプレゼントに作ったマフラーです。
暗い季節に冬色の洋服が少し生き生きとするようにシマシマです。
半分の幅に折るとちょっと違った色が出ますので、ぐるぐる巻くと面白く洒落ています。
柔らかな真綿紬糸なので、薄めながら暖かです。

2016/12/24

男のきもののこと 3


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今年もあと僅かになりました。
今秋は男ものを制作していました。
羽織は無地でしたが、きものはさまざまなグレーのたて縞にグレーの濃淡の横段が入り近くで見ると小格子、離れて見ると暈繝ぼかしのようです。
羽織ときもの姿なら、ちょっと洒落た感じ。
でも、袴をつけるとまた違った印象になります。

すべてが仕立て上がるのは来春に。楽しみです。

2016/11/09

角帯のこと



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「男のきもの」の帯として私が作るのは角帯です。

女性の帯と同じくらいの長さですが幅はうんと狭く三分の一以下の10センチほど。
その幅でひとえに織られた帯もありますが、私は倍の幅で織り半分の幅にかがって仕上げます。
なのでこんなふうに経糸の色を変えておくと、リバーシブルになります。
女性の帯のお太鼓結びのように形が複雑ではないので、両面が使えます。

グレーっぽい茶色と赤みの茶色です。
着流しではわりと目立ちますが、袴をはくと少し見えるだけです。

2016/11/06

無地紬のこと




  

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私が無地を織るときは、経糸に少しだけ濃淡をつけたり、色味を僅かにかえることが多いのですが。

いま織っているのは全くの無地です。
それでも、経糸に使っている座繰り糸の微かな太細と緯糸の真綿紬糸の節が交差するところは微妙に十字が表れます。

やはり無地を織っているときは、柄を織るときとはリズムが違います。

無心に近づくと言うのか….。
格子柄や横段柄を織るときには緯糸の杼をかえるタイミングを常に考えているし、経て縞柄でもずっと縞のようすが気になっているし。

もちろんどちらかと言えば、とても気持ちが良くて空を飛んでいるような気がします。


本当は無地こそ織りむらなどがないように神経をはっていなければいけないのでしょう。


この無地紬は 男物の羽織になります。

やっと織り上がりました。織り止めのあと経糸をはさみで切りました。
無事に織り終えることができ、毎回ながら何かに感謝する心持ちになります。

太くなった千巻からざっと目を通しながら長い長い反物を外していきます。
ほっと嬉しく、愛しいひと時です。