2010/03/31

桐平箱のこと

きもの好きの方、帯揚げや帯締めをどんなふうに収納していらっしゃいますか?
私はこんな桐の浅く広い箱に入れています。濃い色系のちりめんや薄い色系のちりめん、絽ちりめんなど夏用、帯締めなどに分けて、クローゼットの中に重ねています。一段に並べるので色鉛筆みたいに選んで取り出したり、しまったりできるので皺にならずとても便利です。引き出しや深い箱に入れると下のを出そうとすると,上のがグチャグチャになるでしょう。それにきものや帯を出してコーディネートをするときすぐそばまで持ってきて選べるしとても楽しいです。家にお見えになるお客様方がご覧になって「いいなぁ。。。」と仰ることも多いのでこの桐平箱を販売することにしました。
そしてこれを機に私が気になっていたこと、どの箱に何が入っているのかわからなくて全部開けたりすることを解消するのにとっても楽しいアイデアを実現させました。
箱の縦と横の側面と蓋の裏側三カ所に小さな絵を描いてもらいました。桐の肌に岩絵の具がのっている感じがとても好きです。でもあくまでも、豪華にこってりと蓋の上面にではなく,重ねたとき目印になるようにささやかな花の絵などを。
<実はこの絵、職人さんではなく画家の夫が一点づつ描いてくれています。>
今のところ十種の絵があります。どんどんと季節の花などが増えていきそうです。これも伊と忠GINZA のお店やオンラインショップでの取扱いか私の方にメール等でお問い合わせ下さい。
寸法/33.5x63x3.5cm

2010/03/03

「さくらもの」のこと

いよいよ春がやってきます。私はこの2月中、桜で染めた糸で着尺を織っていました。一年の内のほんの僅かな時期だけ桜の樹から美しいピンクを染めることができることをご存知の方も多いと思います。ここ数年すっかり夢中になっていて、庭やまわりの山の桜の枝で、できるだけ染めためています。濃い色ではなく淡いベージュがかった肌色のようなピンクです。本当の桜の花の色はもう少し冷たいピンクなのですが、どうしても気持ちの方が「桜色」と感じてしまいます。もう何とも言えないような優しい美しい色です。私たち日本人の肌に似合うピンクなのでしょう。「ピンクなんてに合わない」と思っている人でも身につけたくなる素敵な色です。これまでいろいろ織ってきました。いま手元にあるものだけですが、桜で染めた糸を中心にして織った作品を集めてみました。今年もあと少しで日本中がこんな色に包まれるのですね。