2018/04/08

新緑のこと 2




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厳しかった冬のつぎにやって来た春は初夏のようで、人も自然も戸惑うほどでした。
あっという間に桜は散り、もはや若葉萌える季節となりました。
我が家の窓辺にも木漏れ日が溢れています。

昨年の新緑の着尺を覚えておられるでしょうか。
あの作品から展開して、もう少しシンプルな柄で白っぽくならず爽やかに、そして袷の時期に一足早く着る単衣のきもの、と言うご希望で今年制作したきものです。

カラスノエンドウで染めた糸に加え、木槿(むくげ)で染めた少し大人びた緑の糸や藍とエンジュで重ね染めたしっかりとした緑の糸、そして桜のグレーの糸を加えた細いたて縞。
緯糸には合歓の木で染めた玉糸をベースにグレーやベージュ、白や深緑などたくさんの色で横筋を織り込みました。
きものとして仕立てるとその横段が段違いに表れてとてリズミカルな表情のきものとなりました。